多焦点眼内レンズとは

多焦点眼内レンズは、白内障手術後に眼内に挿入される特殊なレンズです。

通常の単焦点眼内レンズは一か所にのみピントがあうレンズになります。

一方で多焦点眼内レンズは、近くと遠くの両方のピントをあわせることができます。

多焦点眼内レンズを挿入することで、様々な距離での視力を改善することが可能になり、術後にメガネやコンタクトレンズを使用する頻度を少なくすることができます。

レンズによって、見え方をはじめとした特性があり、メリット・デメリットが存在します。

白内障手術後の快適な見え方を実現するために、ご自身の年齢やライフスタイル、希望する見え方を考慮したうえで、術後に挿入するレンズを決定することが重要です。

  • 遠くに焦点を合わせた単焦点眼内レンズの見え方
  • 多焦点眼内レンズの見え方

多焦点眼内レンズの
メリット・デメリット

メリット

  • 近くと遠くの両方の視力を補正するため、日常生活でのあらゆる距離で見え方の改善が期待できる
  • メガネやコンタクトレンズによる視力矯正の負担が軽減できる

デメリット

  • コントラスト感度(見え方の質)の低下
  • 光の周辺に輪がかかっているように見える(ハロー現象)
  • 夜間に急に強い光を見たときによりまぶしく見える(グレア現象)
  • 費用が高くなる(選定療養、自由診療に適応されるため)

単焦点眼内レンズは、1か所にピントがあるシンプルな構造のため、脳や身体も見え方にすぐ順応しますし、ピントのあう箇所は見えやすくなります。

多焦点眼内レンズは機能面が優れている分、複雑な構造をしており、そのため単焦点眼内レンズのピントが合う箇所よりも見え方の質が低下したり、夜間時の光の見え方に症状がでたりすることがあります。

また見え方に脳や身体が慣れるまで、多少時間がかかるとされております。

このように多焦点眼内レンズにも特有のデメリットも存在しますし、これらは多焦点眼内レンズの種類によって、それぞれ見え方や特性が異なります。

当院で採用している
多焦点眼内レンズ一覧

レンズ外観
(お写真)
※写真準備中※
レンズ名 Clareon Pan Optix
(パンオプティクス)
Clareon Vivity
(ビビティ)
Tecnis Synergy
(シナジー)
焦点距離 遠方・中間・近方 遠方・中間・近方 遠方・中間・近方
ハロー
グレア
やや有り 少ない やや有り
レンズ費用 309,000円
※乱視矯正
331,000円
309,000円 309,000円
※乱視矯正
331,000円
メーカー Alcon Alcon ジョンソンエンドジョンソン

パンオプティクスの特徴

  • 近く~中間の距離が(ほかのレンズと比較して)見やすい

パンオプティクスが向いている方

  • PC作業が多い方
  • 手元の作業が多い方

パンオプティクスの見え方

ビビティの特徴

  • ハロー、グレア現象の影響がほかのレンズに比べて少ない
  • 見え方の質がよい(コントラスト感度の低下が少ない)

ビビティが向いている方

  • 夜間に運転される方が多い方

ビビティの見え方

シナジーの特徴

  • 手元33cmまで連続して見える(手元が自然な見え方)
  • ハロー・グレア現象がやや出る

シナジーが向いている方

  • 手元をみる作業が多い方、手元の見え方を重視したい方

多焦点眼内レンズの費用

手術費用の詳細についてはレンズごとに異なります。詳細は当院医師、スタッフまでご相談ください。

  • 選定療養

手術費用については保険が適応され、レンズ部分については自己負担いただく制度になります。

  • 自由診療

健康保険の適用外になり、手術費用、レンズ代ともに自費での負担になります。

パンオプティクス 309,000円
パンオプティクス(乱視矯正用) 331,000円
ビビティ 309,000円
シナジー 309,000円
シナジー(乱視矯正用) 331,000円