コラム 更新日: 2023/9/4

白内障になるとどのような見え方になるでしょうか?

白内障は40代ごろから少しずつ進行していくのでなかなか症状に気づきにくいことがあります。

最近何となく目がかすむ、目が疲れやすい、などの症状も白内障が原因のことが多くあります。

眼がかすんだり疲れたりしても、眼科で視力を測ると1.0以上見えていてそのまま様子を見られている方も多くいらっしゃいます。

初期の白内障では特に夕方から夜間に症状が出ることがあります。暗くなってくると瞳が開いてきて光が通過する水晶体の範囲が広がるため、特に見え方がにじんだり、まぶしく感じてしまう症状が出る傾向にあります。

また進行した状態になると、視界に霧がかかったように見える霧視という症状や、急に近視が進行してしまう核白内障(もともと強い近視がある方に多いです)になっている方もいます。

この時点になって初めて視力の低下を自覚され受診される方が多い印象です。

しかしそのまま放置されてしまうとさらに進行してしまい、成熟白内障という瞳が真っ白な状態になってしまい全く目が見えなくなってしまいます。

また見え方は悪くなくても、白内障が進行することによって水晶体の厚みが増し緑内障(閉塞隅角緑内障)発作につながる場合もあります。この場合は失明するリスクが出てきますので緊急の対応が必要になります。

見え方や感じ方はそれぞれですので、白内障が進行していてもまだ十分見えますという方もいれば、ほとんど濁りのない40代の方でも霞があると訴えられ、手術をすると症状が改善する方もいます。

50代以降では水晶体の濁りは程度の差はあれ認められますので、目がかすむ、疲れるなどの症状がある方は一度眼科を受診されることをお勧めします。

文責 福岡市博多区東雲町 よしやま眼科院長 眼科専門医 吉山慶三