コラム 更新日: 2023/10/12

そもそも白内障手術とはどのようなことをしているのでしょうか?

医療従事者でも、眼科関連でお仕事をされている方以外にはなかなか想像がつきにくいと思います。

現在白内障手術は年間140万件以上が全国で行われており、非常にポピュラーな手術の一つになっています。

実際に局所麻酔で手術時間も15分程度で終わるので、現在はほとんどが病院ではなくクリニックで日帰り手術で行われています。

手術の略図をホームページから引用します。

手術当日に来院していただくと、水晶体を観察しやすくするために、散瞳剤を点眼していただき、瞳孔を広げます(日中の瞳孔の直径は3、4mm程度ですが、8mmまで広げ水晶体の全体を観察しやすくします)。

リカバリールームで手術開始まで休んでいただきます。

不安を感じる方は、抗不安薬を筋肉注射したり、笑気麻酔を吸入していただきます。

手術室に入室した後、目の周りを消毒します。

顔には清潔なドレープ(覆布)をかけ、目には瞬きができないように開瞼器をかけます。

① 小さな(2mm程度)の切り込みを入れ、水晶体を包む水晶体嚢を丸く切る

目薬の麻酔をした後、白眼の上の方にメスで傷口を作成します。大体2.7mm程度になります。

出血を止めるために止血をします(麻酔をしていても少しちかちかすることがあります)。

角膜(黒目)に小さな切開創をあけ、器具を出し入れする通り道を作ります。

水晶体は薄い透明な被膜(水晶体嚢)に包まれており、その被膜の表面を丸く大きく剥いて水晶体の中身(皮質を核)を直接触れる状態にします。

② 濁った水晶体を超音波で砕いて吸引する

白眼に作った傷口から眼内に超音波を発振する機械を入れます。

露出された水晶体の中身をこの超音波で砕きながら吸い取っていきます。

③ 人工のレンズを挿入する

最終的に丸く大きな穴の開いた水晶体嚢(薄い皮膜)が残りますので、この中に人工レンズを入れて手術終了になります。

この後、眼帯をしてリカバリールームで休んでいただいて帰宅となります。

翌日まで眼帯は外さないでください。

ここまで読んでみると、目の手術って怖いなと感じられる方も多いと思います。

実際の手術中は、顕微鏡から強い照明が目の中に入ってくるので、メスや機械が見えることはありません。

わからないことや、不安に感じることがあった主治医にご相談ください。

文責 

福岡市博多区東雲町 西鉄桜並木駅前 

よしやま眼科院長 眼科専門医 吉山慶三