istent® を用いた緑内障、白内障同時手術について
グラウコスジャパン社よりistent®という緑内障手術のデバイスが発売されています。
今回はistent®の効果について書きたいと思います。
現在保険収載されている緑内障の手術術式は以下のものがあります。
1 虹彩切除術 4,740点
イ 眼内法 14,490点
4 緑内障治療用インプラント挿入術(プレートのないもの) 34,480点
5 緑内障治療用インプラント挿入術(プレートのあるもの) 45,480点
横にある点数は1点10円で計算しますので点数を10倍にした数値が手術の値段になります。
例えば3.の濾過手術は純粋な手術費用が236,000円になります。これにお薬代などが加算されます。
今回取り上げるistent®は6.の水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術 27,990点になります。
点数がやや高めですが、これは白内障手術の点数 12,100点も含まれるためになります。
このため純粋な緑内障手術の点数は 15,890点となり、この中に手術手技料とistent®本体の料金が含まれることになります。
この水晶体再建術併用眼内ドレーン術とは白内障手術と同時に、房水の通りをよくするため小さなステント(内腔が空洞のパイプ)を眼内の水の通り道に刺し込む、手術になります。
局所麻酔で行うことができます。
白内障手術に10分程度時間が追加になると考えればちょうどよいです。
この手術の利点は白内障手術と同時に比較的手軽に緑内障手術を行える点だと考えます。
緑内障の手術の目的は眼圧を下げることにあります。
この手術では眼圧を下げる効果は他の手術に比較して小さいですが、合併症のリスクが少なく、短時間で終わらせることができます。
また恒常的に眼圧を下げる効果が期待できるので、点眼薬の投薬間隔での眼圧の上昇などがなく常に一定の眼圧を維持できる効果があります。
そのため緑内障のタイプによっては大きく効果が発揮できることが期待できます。
当院では緑内障治療中の方で白内障手術を希望される方にはこのistent®挿入の同時手術をお勧めしています。
うまくいけば眼圧が下がり点眼を減らすことが期待できます。
また手術後にも点眼を継続することでより強力に眼圧降下を維持し、より重症の緑内障の進行を抑制することも期待できます。
これらの治療を行ってもどうしても眼圧が下がらない、もしくは視野の悪化が進行してしまう場合には、その他の手術の追加を検討することになります。
ただ上記にあるようなその他の手術では手術時間もかかり、様々な合併症のリスクもあり、また2週間程度の入院が必要になります。
その点を考慮すると、まずは最初にistent®をトライしてみるのは患者様の負担が少なく非常に理にかなっていると思います。
まずはistent®を試してみる。それでだめなら次の術式を追加する。
当院ではこのような考え方で緑内障の手術治療を行っています。
緑内障で治療をされている方は是非ご相談ください。
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よしやま眼科 院長 眼科専門医 吉山慶三